2013年の「World Coffee Roasting Championship」で優勝、世界トップクラスの焙煎士である後藤直紀さん。
福岡県大野城市にある〈豆香洞コーヒー〉のオーナー焙煎士として、日々、焙煎機と対話しながらめざすコーヒーの味とは。
▼福岡・大野城市「豆香洞コーヒー」

お店は焙煎所のすぐそばに。大野城市白木原の住宅街にあり、コーヒー豆を求めるお客さんがひっきりなしに訪れる。店舗は福岡市内にもある。
〈豆香洞コーヒー〉白木原店|福岡県大野城市白木原3-3−1/博多リバレインモール店|福岡県福岡市博多区下川端町3−1

〈豆香洞コーヒー〉の味は、後藤さんが微差を繊細に捉えながら、幾度となく検証をくり返しながら生まれたものです。
温度や時間など、焙煎プロファイルは綿密に数値化していて、ある意味、とてもロジカルに味づくりをしてきました。1日中、焙煎機を操作しながら、ひたすら数値と味とを結び付ける作業をしていて。その数値もどんどん細分化させていって、コンマゼロ以下の数値の差ですら、それが味にどのように影響するかをとことん解明したいと思いながらやってきたんです。

倉庫では生豆を24時間定温管理。生豆は焙煎前に1粒ずつチェックし、クオリティが満たない豆はすべて手作業で取り除いていく。
ただ、最近は数値を極めれば極めるほどに、それだけでは追いつけないところがあるのかもしれないと思うようになってきました。「この数字をこうすれば、味はこうなる」といったことが把握できるようになってきましたし、数値だけでやれることはすべてやりつくしてきたところもあって、もっと自分の本能の部分にゆだねてみるというか、感性をみがいていくことも大切なのかもしれないな、と。
―これまではロジカルに味づくりをしてきたけれど、もっと本能的に味を求めていこうとしているのでしょうか。
例えば、7.5といったコンマゼロ単位で味の違いが分かるようになって、次第に7.52や7.58といった、7.5と7.6の間の細かいところも理解できるようになってということを重ねていくと、どんどん数値のグラデーションは細かくなって、最終的には無段階になってしまうんですね。味を安定させて焙煎をしていくには、数値は絶対になくてはならないものです。
だけど、味づくりの最後の、わずかな塩梅のさじ加減を決めるのは、やはり、本能的な感覚なんですよね。そこを鈍らせたくないという思いはあるかもしれません。春先に飲んでもらいたいコーヒーをつくるとして、味を数値に落とし込む際、0.5%か、それとも0.2%にするかといった選択肢ができて最終的にどちらかに決めるとき、頭で考えるのではなく、本能から「こちらのほうが春のうららかな感じが出せているから」と選べたなら、その味にもっと共感してもらえることもあると思うんです。ただ味が良いだけでなく、コーヒーを介して新たなコミュニケーションが生まれる。そういうことができればと思っています。
▼コーヒーの楽しみ方 あんこ×コーヒーの意外なマリアージュ

誰でも気軽にコーヒーの味わいを楽しめるようにと生まれた「珈琲羊羹」
僕のあんこ好きが高じてつくりました。
昔から和菓子が好きで、意外にもコーヒーにもよく合うんですよ。

▽豆香洞コーヒーの商品は、こちらから▽

かおかお17
このコーヒーとても気になります。
なおぴょん705
珈琲羊羹が気になります。 食べてみたいなあ。